How would you like to give back to your parents?

少し前になりますが、父の日はどんな風に過ごしましたか?

母の日や父の日、結婚記念日やお祝いしやすいタイミングがあるのはありがたいですね。あ、そう言えばいつもありがとう。と。

私の父は、5年ほど前に胃に腫瘍が見つかり、急遽胃を摘出することになった。私はその1年と少し前に甲状腺の病気が見つかり、バセドウ病の治療をしていた。父の胃がんが見つかったのは、甲状腺の病気が治らず、甲状腺の症状と相まって、私の精神状態が不安定で鬱状態になり、体も心もとても働ける状態ではなくなり、会社にお休みをいただいて1ヶ月ほどが経とうとしていた頃だった。自分のことでいっぱいで、家族に感謝する暇もないほど毎日自分のことを責めていた。

そんなときに見つかった父の癌は、まさに晴天の霹靂。まさか、明るく元気な父が癌だなんて、考えたこともなかった。

急に目の前に’死’という言葉が近づいた。口には出さないが、あの瞬間に家族全員が覚悟した。

私はどれだけ自分のことしか考えていなかったのだろうか。これほど支えてくれた家族のことをどれだけ考えられていたのだろうか。自分のことを責めている場合ではなくなった。それからは、父のこと、家族のことしか考えなくなった。そして、私がしっかりと支えなければ、と大きな大きな喝を入れられたような感覚だった。

食べることが大好きな父は、再発の危険性よりも、胃が全部なくなる方が嫌だったみたいだ。それほど食べることが大好きなのだ。父以外の家族全員が、全摘を望み、渋々父は承諾した。もちろん、全摘して食べられなくなることも心配だったが、とにかく’死’を遠ざけたかった。

父とは、手術までに食べたいものを存分に食べに行った。朝からコメダのモーニングにも行ったし、父の大好きなラーメンとチャーハンをがっつきにも行った。あまり外食をしない家庭なので、今ではあれもなかなか良い思い出である。

父の前では楽しく過ごしていたが、やはり心のどこかで不安と心配な気持ちは止まらなかった。ときに、’もしも。’という嫌な妄想が襲ってきた。手術に備えて母とお百度参りもしに行った。あれほどの願掛けは初めてかもしれない。とにかく神様に何度も何度もお願いした。

手術当日。なかなか壮絶な長時間の手術だった。母とふたり病室で待ったあの時間は不安でいっぱいだった。手術は成功。苦しそうに何か言いながらベッドで戻ってきた。私と母は、父の摘出された胃を見た。後から、父には写メ撮ってくれた?と言われたが、そんな余裕はなかった。

まあ、話せば長くなるのだが、あれから5年半が過ぎ、父は今でも食欲旺盛のまま元気で過ごしている。体重は10kg以上痩せて別人のようだが、食欲は変わらない。そして、何より相変わらず明るく元気に過ごしている^^

私も、父の癌をきっかけに自分のことに構う暇もなく、どうにか家族のことを想い尽くしているうちに、鬱状態も抜け、甲状腺の病状も安定してきて、4ヶ月ほどで復職した。そして、今も同じ会社で元気にバリバリ働いている。私が倒れて、父が癌になり、母はどれだけ苦しかっただろう、と想像するだけで申し訳ない気持ちでいっぱいになる。ふたりとも元気でいてよかった。

そんな出来事を機に、いつかは必ず’死’がやってくる。という覚悟の準備をし始めた。今でもできている、とは言えないけど。当たり前、という言葉は幻想にすぎない。毎日、生きていることが奇跡だし、素晴らしいことだ、と思えるようになった。だから、親に対しても今のうちに感謝を伝えておきたい。そう思っている。

その頃から、少し焦っていたのかもしれないが、どうやったら親孝行できるのか、ずっと考えていた。出世して、お金を稼いで家を建てる、とか、車を買う、とか結婚して孫の顔を見せる、とかそういうことを言われがちだが、そうじゃないと思う。私は親じゃないから、分からないけど、もっと日常にあるものだと思うし、もっと身近なことだし、モノよりも想いや時間が大切だと思う。親を大切に思う気持ち。それこそが親孝行になるのかな、と思っている。特別な1日をプレゼントするのももちろん素敵なことだけど、普段から感謝の気持ちを伝えたり、何かささやかなギフトを渡したり、そんなことを多く伝えてあげるのも良いんじゃないかな、と思っている。

そんな中、たまたまInstagramの広告に”父に実は伝えたいこと”と言うテーマのエッセイが募集してあった。エッセイなんて書いたことはないけれど、父に感謝を伝える良い機会だと思った。伝えたい感謝が溢れてきて、書きたいという気持ちがいつの間にか書いて応募していた。そしたら、採用されて晴れてエッセイデビューを果たした^^

エッセイの公開と合わせて、感謝の気持ちを紙に印刷し、封筒に入れて父に渡した。あのとき、ありがとう。と伝えて。

なんだか恥ずかしかったけど、感謝はきちんと伝わった。手紙とも少し違う、エッセイという感謝のかたちで。恥ずかしそうにしていたが、少し涙ぐんでいたのがわかった。伝わっているとこちらも嬉しい。感謝することも大切だけど、それを伝えることも大切だ、と改めて感じた。

感謝したいことはまだまだたくさんある。もちろん母にも。

どんな形で、どんな風に伝えられるかわからないけれど、それぞれの形で、’あなたを思う気持ち’を日常の中で少しずつ渡していきたいな、と感じている今日この頃。

みんなはどんな風に感謝を伝えていますか??何か良いアイデアややってよかった、というのがあったら、ぜひ教えてくださいねっ♩

((〜父に実は伝えたいこと〜かがみよかがみHP掲載))

https://mirror.asahi.com/article/14352350

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