Blinded By The Light

Netflixでカセットテープ ダイアリーズを鑑賞。

これまた、背景も立場も環境も時代も何もかも違う主人公のストーリーになぜか自分が重なりずしんときた。映画って本当に素晴らしいよね。

Is a dream a lie if it don’t come true
Or is it something worse

私は、彼のように人種差別の経験や亭主関白のような父親絶対主義な家庭で育った経験はない。ごく普通の幸せな家庭に生まれたことを感謝している。だけど、何気ない幸せそうな普通の女の子でも、ここから絶対に抜け出してやる、と歯を食いしばりもがいた経験がここにある。

私の母親は典型的な昭和のお父さんみたいな考え方の人。きっとそれは、おじいちゃんから譲り受けた。可愛くて仕方のない娘をなんとか守りたかったのだろう、と昔の話を聞いてそう感じる。そのまま受け継いだ真面目な母は、夢という存在を理解してくれなかった。

経済的に安定した幸せな家庭を築くことが、娘の幸せだと心の底から信じていた。そして、音楽や舞台などで夢を仕事にできる人は、この世界でほんの一握りの特別な人だ、ということも。普通が一番、ということも。

私は、小さい頃舞台を見て、夢を持った。小学生からの記憶は、すべて夢のため。何をしていても、その先には夢があった。だから、どんなにしんどくても、絶対諦めなかったし、苦しくもなかった。小学5年生の頃、金管打楽器のマーチングクラブに入り、パーカッションを担当していた。野外を行進しながら演奏するイベントでは、鉄琴というかなり重たい楽器を肩にかけながら、炎天下を何キロも行進し、倒れる寸前で顧問の先生に声をかけられて、やっと休養した。

高校生の時、体育の授業で1kmマラソンがあり相当しんどかったが、これはみんなしんどいもの、自分だけが甘えてはいけない、と踏ん張りなんとかゴールした時、顔面蒼白の私を見て、友達に保健室に連れてくれた。お昼のお弁当で運動誘発アレルギーを起こしていたらしい。

だが、結局夢は挑戦もせず、はかなく散った。それは、母を説得できず、受験すらできなかったから。(詳しくはかがみよかがみで書いたので、興味ある方はぜひ◎)

音楽や舞台など人を楽しませ、喜ばせるエンターテインメントは遊びと思われる。遊びと仕事は繋がらないのだろう。苦労する姿を見たくない、しんどい思いをさせたくない、そういう親心も相まってのことと思うが、こうあるべき、こうするべきなのだという教えは自由を奪い、時に絶望へと追いやることを忘れないでほしい。

そして、私は一人暮らしをするまで、親の考えや概念というフィルターが私の中にあることすら気付いていなかった。

映画の中で、彼は大学を諦めようとしたり、自分の意見を周りの目を気にして言わなかった。彼を見ていると、なぜ自分の意見を言わないの?もっと自由にすればいいのに、と思ったが、振り返ってみると、私も同じだった。

社会人になるということは、一人前の大人になること。自分の生活費を稼ぎ、自立すること。きちんと安定した大きな会社で真面目に長く働くことが社会人として果たすべきこと。夢を仕事にできる人はほん一握りの人だけ。そんなの無理なんだから。って。

大人ってつまんねえ。って、思いながらも自分よりも人生を重ねてきた母が言うなら、一度経験してから自分で選択しようと思った。何度もぶつかり合ったが、母を説得することはできなかった。

8年前の今日。入社式。私にとっては、夢を諦めた瞬間だった。外は桜が咲き、暖かくなり、昼が長く明るくなっているというのに。私はもう2度と夢を見ることを許されない。と落ち込んだ。駅から会社へ歩く道は、真っ黒なスーツで埋め尽くされ、私もその群れに飲み込まれていく。普通が大嫌いでアレルギー反応が出そうになるくらい嫌なのに、真っ黒なスーツに白いシャツ、黒髪に黒いヒールを履いて、典型的な新入社員を演じた。

親が悪いわけじゃない。私は家族が大好きだし、感謝している。だけど意見が合わなくてぶつかることもある。単に性格以外にも、親が育ってきた環境や背景やストーリーが人格や考え方を形成していく。だから、愛は十分にあるが理解はされない。こんなことが起きるのだ。

自分と同じ苦労をかけたくない、幸せに過ごしてほしい、そんな優しい思いが絶望に追いやることがある。

夢に振り回され、夢なんて無い方がよっぽど幸せだったんじゃないか、なんで私はどうしても叶えたい夢を持ってしまったんだ。そう悩んだことを、初めの文を見てフラッシュバックした。叶わなかった夢は幻想か。それとも悪か。

夢を諦めた22歳。夢をなくして、道が分からなくなり、もがき苦しんだ20代。毎日、心に蓋をしたかのように仕事に没頭した。平穏で順調に見える退屈な毎日をどうにか抜け出さないと、そう焦りもがいたことが、映画のシーンと重なった。

今日は出張中、たくさんの新入社員の子たちを見かけた。会社にも新しくメンバーが増えた。みんな、絶望ではなく、夢を持っていてほしいな、と思う。夢なんかなくても、とにかく未来が楽しみ、大人になってわくわくしていてほしいな。そんな風に思わせられる大人になりたい。

映画を見て、親のこと、夢のことが心に残ったので、ここに書き記してみた。取り止めのない文章になってしまったが、読んでくれた人が、何かを考えるきっかけになってくれたら嬉しいな。そして、子供が夢を教えてくれたら、全力で応援してほしい。親じゃなくても、良いことを良い、素晴らしい、素敵だ、ってことをきちんと伝えられる大人になりたいね。

綺麗な桜がたくさんの新社会人を暖かく迎えてくれた今日、私はこの映画を見られてよかった。そしてしばらくは、ブルーススプリングスティーンにハマるな。

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